だるさや倦怠感について
「何となくだるい」と感じることは誰にでもあると思います。ゆっくり休んだはずなのに身体が重い、疲れがとれず集中できない、やる気が起きないといった症状が強くなることを、医学的には倦怠感といいます。
働きすぎた時や運動しすぎた時などに感じるだるさは一時的で、いつの間にか治っているものですが、いつまでもだるさが続くような時は何らかの病気が隠れている可能性があります。
実は病気のサインかも…
だるさや倦怠感とは、身体が重くて力が入らない、疲れがとれず集中できない、やる気が起きないといった症状のことです。 だるさの原因には、肉体疲労や精神疲労が考えられます。働きすぎたり運動しすぎたりしたら、ゆっくりと身体を休めるようにしましょう。
また、精神的な疲れを感じたら積極的に心をリラックスさせることを心がけましょう。いつまでもだるさや倦怠感が解消されない場合は、何らかの病気が原因になっていることもあります。
疾患から起こるだるさや倦怠感
だるさや倦怠感を引き起こす疾患として、風邪・インフルエンザ、貧血、急性肝炎、慢性の肝臓疾患、腎臓疾患や心臓疾患などむくみを起こす疾患、結核やがんのほか、うつ病や心身症などの精神疾患などが原因となり得ます。
以下に上げる疾患はそれらのなかでも早めに医師に相談したほうが良いものです。心当たりのある方は当院までご相談ください。
貧血
赤血球に含まれるヘモグロビンは鉄分やたんぱく質などで構成されており、鉄分は肺から摂り込まれた酸素と結びつき、全身に酸素を送り届ける役割をしています。鉄分の供給が不足したり、出血などで喪失したりすると、十分な酸素を細胞に届けられなくなります。これを鉄欠乏性貧血といい、だるさや倦怠感のほか、めまいや立ちくらみといった症状を感じます。
鉄分不足の中で血液が作り出された結果、赤血球が小さくなってしまい血液の赤みが薄くなることから顔面やまぶたの裏の結膜が青白くなることがあります。
風邪
風邪の原因となる細菌やウイルスなどの微生物が体内に入り込むと、人体は免疫反応を起こし、これらを排除しようとします。その結果として風邪のさまざまな症状が生じます。
免疫システムが細菌やウイルスと闘って炎症が起こると、咳・たん・鼻水といった呼吸器の症状が現れ、発熱や頭痛、頭重感が生じます。これらの現象によってエネルギーを消耗することで風邪特有のだるさや倦怠感に繋がります。
急性肝炎
急性肝炎はアルコールや薬剤が原因になる場合もありますが、ウイルスによって発症するケースが大半を占めます。A型からE型まで5種類のウイルスがよく知られています。 肝炎ウイルス感染から発症までは、長くて半年もの潜伏期間を要するケースもあります。
発症して初期の段階では、発熱など風邪に似た症状が現れます。その後、全身の倦怠感や吐き気・嘔吐、尿が褐色になるといった症状のほか、多くの場合には黄疸がみられます。
うつ病
うつ病になると、憂鬱な感じ、気分が沈む、不安を感じるといった精神症状のほか、頭痛や肩こり、食欲や性欲が減少するなど身体の症状も現れます。強いだるさや倦怠感を感じるのも特徴です。
これらの症状が非常に強く、また長期間持続するため、身体的な影響や日常生活に大きな影響があらわれます。
糖尿病
膵臓で分泌されるインスリンの量が減少したり、質が低下したりして血糖値のコントロールができなくなる疾患です。腎臓、循環器、目、神経など全身の臓器に合併症を引き起こし、生命の危険もある疾患です。
特に腎臓は「静かなる臓器」といわれているように疾患の自覚症状が乏しく、健康診断や血液検査で初めて血糖値やヘモグロビンA1cの異常が発見されるケースも多くみられます。 病気の進行とともに多尿・頻尿や全身の倦怠感などの症状が現れるようになります。 定期的な血液検査を行い、異常が発見されたらすぐに腎臓専門医にご相談ください。
腎不全
腎不全が進行し末期状態となると、尿毒症物質が体内に蓄積しさまざまな尿毒症の症状が出現しますが、だるさや倦怠感が生じるケースが多くあります。 また、腎不全にともなう貧血で全身への酸素が行き渡らなくなる状態や、尿が出づらくなり高カリウム血症などの電解質異常がある場合も、だるさや倦怠感といった症状で自覚されます。
腎機能異常による強いだるさや倦怠感は、腎不全が末期状態にであることが多く、透析などの腎代替療法が必要となる場合があります。だるさや倦怠感が持続している場合は、腎臓専門医を受診することをおすすめします。